<詳細>
以下は現在実施中および研究中の主な活動内容です。
① 国立大学病院診療情報バックアップ事業災害下にも医療情報の継続性が保たれるように、全国国立大学病院診療情報バックアップ事業(The Gemini Project)が平成25年度より開始されました。診療データのみならずシステムバックアップも保存することで、速やかなシステム復旧も担保する仕組みとなっています。当院においてもセットアップは完了しましたので、実際の災害時に円滑に使用できるよう、災害マニュアルに手順を明確に定める準備を行っています。 | ||
② センチネルプロジェクト(医療情報データベース基盤整備事業)
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③ みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会 | ||
④ 災害時情報システムの構築各避難所の情報を効率よく収集するためのシステムを災害医療ACT研究所と協力して開発しています。今後広域災害救急医療情報システム(EMIS)との連携など発展が期待されます。地域によらず普遍性をもったシステムとして完成させるために尽力します。また、独自にも急性期災害医療を支えるよう情報インフラの整備対策や、紙媒体と融合したフレキシブルな情報システムを構築する準備を行っています。 | ||
⑥ 心電図情報のQRコード化心電図情報をQRコードに包含し、一般のQRリーダーを用いることで心電図情報の復元ができるプログラムを作成した。本機能により、診療情報システムやPACS等が活用できない状況においても以前の心電図情報を参照でき、災害時に発症が増加する心疾患のスクリーニングに役立てることができる。本研究は平成25年8月コペンハーゲンで開かれた国際医療情報学会MedInfo2013で発表し、Distinguished Poster Awardを受賞した。現在デンソーウェーブと共同研究を行い、さらなる改良に努めます。 | ||
⑦ 電子カルテと機能充実東北大学病院における実施責任者として電子カルテを導入しました。平成25年2月から各診療科ごとトライアルを行い、1科ずつルールを定めることで順次拡大。最終的に平成26年4月に全診療科全病棟で電子カルテの導入が完了しました。その過程においては、院内の多くの診療スタッフに大変ご協力いただきました。長年の歴史から必ずしも電子カルテに適していない独自カスタマイズもあるため、真にユーザーにとって使い勝手がよくなるようカルテベンダーとともに開発中です。また、次のステップとして、各診療科の自科検査連携、各診療科データベースと病院情報システムとの連携を目標に準備を進めています。 | ||
⑧ 重症病棟指示簿システム重症病棟における指示簿システムを独自構築しました。ポイントは、経過表をみながら指示を出せること、持続注射・時間注射等いかにストレスなく指示が出せること、「指示出し→受け→実施」もしくは「口頭指示→承認」の流れをスムーズに織り込めることです。例として、持続点滴の流量変更が右クリックで簡便に修正できること、その際流量の変化が経過表上に明瞭に残ること、持続点滴に1日1回混注する薬剤があるときもシームレスに切り替えがシステム上でできること、時間注射では時間によって回数が自動的に変更されること、などを実現しています。以下がその画面展開です。 <持続注射> | ||
⑨ 患者プロファイルとしてのアレルギー情報の標準化平成24-25年度の厚労省科研費を頂き、アレルギー情報の標準化に関する研究を行いました。アレルギー情報の共有は医療安全上とても重要なことですが、その取り扱いのルールは定まっていません。現状把握をする目的で、全国600床以上の病院にアンケートを行い、アレルギー情報の内容や取り扱いのルールが個々の施設によって異なること、電子カルテにおけるアラート機能においても統一がとれていないこと、国レベルで共通した概念の確立を期待する声が多いことなど現状の問題点を明らかにしました。これは本邦だけの問題ではなく、国際的に標準化の進んだ海外の施設においても同様の限界があります。本研究の結果をもとに、東北大学病院において多職種メンバーによる議論を行ってさらに問題点を深めた後、実際に病院情報システムを改善、継続的に活動中です。 | ||